この記事はカエデの葉で染めた刺し子糸と布の紹介です。
こんにちは、モカリーナです♬
紅葉した赤色の葉っぱはとても美しいですよね。
今回は真っ赤に紅葉したカエデの葉っぱからピンク色の刺し子糸と布を染めました。
赤い葉は普通に煮出すだけでは赤い染液にはならず茶色に染まります。
でも少し工夫をして柔らかなピンク色の糸や布ができました。
この記事ではカエデで染めた刺し子糸と布の作り方の紹介をしています。
カエデの葉で染めたピンク色の刺し子糸と布を作りました

紅葉したこの葉っぱはカエデ?もみじかな?とちょっと悩みました。
実はカエデももみじもムクロジ科カエデ属の植物で、カエデはその形から「カエルの手」→「カエデ」となりました。
そして紅葉は日本特有で草木が色づく様を表す言葉「もみづ」を由来とし、「もみぢ」→「もみじ」となりました。
カエデの中で特に赤く色づくものを「もみじ」と呼ぶようになり、イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジの3種をいいます。
①別名 楓・鶏冠木・蛙手・メープル
②分類 ムクロジ科(旧カエデ科)カエデ属
③条件 植栽
④部位 乾燥/葉
⑤採集・染色日 2021年11月15日/2022年6月1日
⑥採集・染色地 千葉県
⑦濃度 40g/布10g×2枚 糸21g
※未晒糸・精練・濃洗処理済み
※酸性抽出(水1ℓ:クエン酸 大2)・塩 大2
刺し子糸は精練後、ディスポンで濃洗処理をしています。
紅葉したカエデの葉の採集

昨年の秋に紅葉した落ち葉を公園で拾い集め、乾燥させて保管していました。
カエデの葉から染液を取る

- カエデの葉 40g
 - 水 1ℓ
 - クエン酸 大さじ2(約25g)
 
大鍋にクエン酸と不織布に入れたカエデの葉っぱを入れて沸騰する前に火を止めます。
乾燥したカエデの葉っぱが柔らかくなったら赤い色素が出やすいように葉をよく揉んで、2時間ほど置いておきました。
クエン酸は大さじ2では少ないかなと思いましたが、十分に赤い染液が取れました。

染液は清涼感のあるハーブのような香りがしました。
染めた糸と布の色を止める
みょうばん液で色止めをする

染色した布をみょうばんで作ったアルミ媒染液に浸けると、布はベージュ色に変色しました。
私の愛読書「草木染め大全」では、もみじ染めはみょうばん液で色止めをするとピンク色になると書いていたので少し驚きました。
採集する時期や葉っぱの状態によって違うのだと思いました。本のは生葉、私のは乾燥してしばらく置いていたものです。
私はピンク色の刺し子糸が作りたかったので、今度は塩で色止めをすることにしました。
アルミ媒染後の液体

- カエデの染液(左)
 - アルミ媒染後の液体(右)
 
カエデの赤い色素はポリフェノールの一種のアントシアニンで、取った染液は赤く濁った液体です。
みょうばん液の媒染後の液体は薄い茶色に変わりました。
塩で色止めをする

赤い染料に塩大さじ2杯入れて溶かし、刺し子糸と布を入れて染色しました。
布と糸はみるみる赤く色付き、今回は2時間ほど染液に浸けました。
布と糸の水洗いについて

仕上げに布と刺し子糸を水洗いしました。
- みょうばん なかなか水が透明にならず、うっすら茶色くなる水を何度も取り替えながら水洗いしました。
 - 塩 みょうばんより更に水洗いを何度もしましたが、透明な水になりませんでした。はじめは濁ったピンク色、徐々に薄茶の水を何度も入れ替えました。果てしなく洗い続ける感じがしました。
 
カエデ染めのピンクの刺し子糸と布の完成

日本伝統の和名 水柿色
出来上がった刺し子糸は柔らかなベージュがかったピンク色でした。以前に染めた桜染めの水柿色よりも薄めです。
布はみょうばん液で色止めをしたものはベージュ、塩はベージュがかったピンク色でした。
どちらの色目もとてもキレイなので、後でみょうばん液で色止めをしたベージュの刺し子糸も作ればよかったと思いました。
YouTube・カエデ染めのピンク色の刺し子糸と布
カエデ染めの作成工程を動画にしましたので、よろしければご覧ください。(2022年8月追記)
まとめ
昨年秋に落ち葉を集めて保存しておいた、乾燥カエデの葉っぱで刺し子糸と布を染色しました。
染液は赤色で、染色した糸はピンク色。みょうばん液で色止めをしたものはベージュ、塩で色止めをしたものはベージュがかったピンク色に染まりました。
とてもキレイな赤い染液だったので、塩で色止めをした糸はピンク色になるのかと思いましたが、水洗いをするたびにベージュっぽいピンクになってびっくりしました。
染めるやり方や時期、染料の状態によって色が違うので、染色は何度やっても飽きることがありません。
それでは、おつモカリ〜(*´꒳`*)♪
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
モカリーナより
				モカリーナ 草花刺し子	
