この記事はよもぎ染めで重ね染めをした刺し子糸について書いています。
こんにちは、モカリーナです♬
野草で染めるとたくさん同じような色の刺し子糸ができます。
染料によっては染まりにくかったり、みょうばんで色止めをすると黄色系に染まることが多いです。
そこでを更に染色を重ねてみるとどんな色に染まるのかという実験も兼ねて、重ね染めをしてみることにしました。
ところがいざ重ね染めをしてみると予想とは違い絵の具のような混ざり方にはなりません。
やってみないと分からないところがあるのも草木染めの楽しみの1つです(*´˘`*)
今回は初夏のよもぎを使って、3つの刺し子糸の重ね染めをしました。
目次
初夏のよもぎで重ね染めをした刺し子糸!【草木染め】
今回染め直したのは生成色の糸や黄色い糸、試しに染めたグラデーション糸です。
重ね染めに選んだのはよもぎです。春のよもぎをアルカリ抽出するととてもキレイな緑色になったので、今回は初夏のよもぎを摘んできました。
①別名 よもぎ
②分類 キク科ヨモギ属
③条件 自生・アルカリ抽出(重曹)
④部位 生/地上部全草
⑤採集・染色日 2023年5月25,27日/5月25,27日
⑥採集・染色地 千葉県
⑦濃度 100g/糸 43g(グラデーション糸21g×2)
※未晒糸・精練・濃洗処理済み
※刺し子糸は精練後ディスポンで濃洗処理をしています。
よもぎの染液を取る
初夏のよもぎは新芽の辺りがほんのり黄緑色をしています。
よもぎを細かく刻んで不織布に入れ、水を入れたお鍋に重曹を入れて、沸騰してから20分ほど煮出し染液を取りました。
よもぎ染めの記事はこちらに詳しく書いていますので、合わせてご覧ください。
重ね染めの実験
まずはじめに実験したのはスズメノエンドウ染めの刺し子糸。この糸はみょうばんで色止めをしている糸です。
この糸に次の2つの染液で重ね染めしてみました。
- 赤色の染液(酸性抽出) バラの花びら
- 緑色の染液(アルカリ抽出) よもぎ
この染液にスズメノエンドウ染め(アルカリ抽出)の黄色い刺し子糸をつけて、染色実験しました。
- 赤色の染液→薄いピンク(ほとんど染まらず白っぽい)
- 緑色の染液→黄緑色に変化!
私の経験ではクエン酸抽出の赤い液体で染めた糸は、みょうばん(アルカリ性)につけると色が白くなります。
このため黄色い糸は絵の具のように赤+黄色=オレンジ色になるのではなく、白っぽい糸になったのかなと思います。
黄色い糸の変化
黄色い糸→白くなる→薄いピンクになる→乾くと白っぽい糸になる
水抽出したスズメノエンドウ染めの刺し子糸はとても鮮やかな色に染まります。こちらの記事をご覧ください。
スズメノエンドウ染めとよもぎの重ね染め
スズメノエンドウ染めの黄色い刺し子糸をよもぎの染液につけました。
抽出方法 | 色止め | |
スズメノエンドウ染め | アルカリ抽出 | みょうばん |
↓ | ||
よもぎの重ね染め | アルカリ抽出 | 今回はしない |
※染色時間は約30分間
とてもキレイな若草色の刺し子糸ができました!
桜の実染めとよもぎの重ね染め
桜の実染めの刺し子糸は4つの染色方法で染めました。2番液で染めたので刺し子糸はほとんど染まらず、月日が経つうちに色が薄く全体的に薄茶のグラデーションになっていました。
この染液で染めると薄い緑色と濃い緑色のグラデーション糸になりました。
抽出方法 | 色止め | |
桜の実染め | 水抽出 クエン酸抽出 | みょうばん・塩 |
↓ | ||
よもぎの重ね染め | アルカリ抽出 | 今回はしない |
※染色時間 約30分間
桜の実染めの刺し子糸の記事はこちらをご覧ください。
タケノコ染めとよもぎの重ね染め
タケノコの皮をクエン酸抽出した液体はとてもキレイな赤色です。ところがこの染液で染色しても水洗いすると白く戻ってしまいます。
つまり、染まっていない刺し子糸です。
洗わずに乾かしておいたピンク色の刺し子糸を1ヶ月半放置した後に洗ってみると、たちまち白く戻ってしまいました。
その糸を使ってグラデーション糸を作りました。
抽出方法 | 色止め | |
タケノコの皮染め | クエン酸抽出 | 無媒染 |
↓ | ||
バラの花びら染め(3番液) | クエン酸抽出 | 塩 |
よもぎ染め(2番液) | アルカリ抽出 | 今回はしない |
赤い染液は酸性、緑の染液はアルカリ性なので、糸の真ん中は白く変化しています。
バラの花びらは3番液、よもぎは2番液です。
染色を繰り返すと染液は薄くなり、糸の染まる色も薄くなります。
薄くなったバラの染液は処分して、後日よもぎの染液を新たに取り直して染めました。
水と緑の染液につけると、糸の真ん中はピンク色と緑色がミックスされました。
バラの花びら染めの部分は渋めのピンク色、よもぎ染めは緑色に染まりました。
染まらなかったピンク色のタケノコ染め、バラの花びら染めの刺し子糸の記事はこちらをご覧ください。
3種類のよもぎの重ね染めの刺し子糸
3種類のよもぎの重ね染めの刺し子糸が完成しました!
- (左)桜の実とよもぎ染めのグラデーション糸
- (中央)スズメノエンドウとよもぎ染めの糸
- (右)タケノコの皮染め→バラの花びらとよもぎ染めの糸
まとめ
今回は一度染色した刺し子糸によもぎの重ね染めをして、3種類の刺し子糸を作りました。
重ね染めは先に染めたものに上手く色が重なるものとそうでないものがあります。
絵の具を混ぜるように染まらないこともあるので、染色実験をしてから染めてみてください。
それでは、おつモカリ~(*´꒳`*)♪
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
モカリーナより♡