この記事はびわの実で染めた刺し子糸と布の紹介です。
こんにちは、モカリーナです♬
千葉県の南房総市は長崎県に次ぐびわの産地で、ここで採れるびわは「房州びわ」と言われています。
先日私は贈答品としてびわを購入するためにびわ農家を訪れました。箱詰めされたびわは驚くほど大きく、こんなに立派なびわを見たのは初めてでした。
そしてお値段にもびっくり。大切に手間をかけて大きく育てられたのですから、高価なのも頷けます。
帰りしにお土産のびわと染色用のびわをいただきました。傷みがあるといえどとても立派なびわでした。
びわの葉で染めた糸や布は有名ですが、実で染めたものは珍しいようで調べても出てきません。どんな色になるのか楽しみに思いながら、頂いたびわから染液をとり、3色の刺し子糸と布を作りました。
目次
房州びわの実で染めた3色の刺し子糸と布・南房総の特産品【草木染め】
購入したびわの品種は「田中」、東京都の田中芳男氏が育成し、明治12年発表したものです。
1つの果実が65〜75gと外観が美しい大きな実で、収穫期は6月中旬から6月下旬です。
①別名 枇杷
②分類 バラ科ビワ属
③条件 植栽
④部位 生/実
⑤採集・染色日 2022年6月4日/2022年6月9日
⑥採集・染色地 千葉県
⑦濃度 67g/糸10g・布10g
※未晒糸・精練・濃洗処理済み
刺し子糸は精練後、ディスポンで濃洗処理をしています。
染色用の房州びわ
贈答品を宅配で送り、お土産に少し痛んだびわと染色用にとたくさんびわをいただきました。
いただいたびわは傷んでいるといっても大きくて立派。そのまま煮出すにはとてももったいない感じです。
食べれる所はいただき、白くて硬い実、皮や種を染液に使うことにしました。
びわの染液を取る
実や種は染液が取りやすいように包丁で細切りにしました。布や糸の重さの3倍の量を用意しました。
大鍋に水3ℓと不織布に入れたびわの実を入れ、沸騰してから約15分煮出して染液をとりました。
染液はキレイな透き通った薄いオレンジ色です。刻んだたくさん種のから杏の種のようないい香りが漂っていました。
刺し子糸と布を染色する
びわの染液に布と刺し子糸を1時間ほど染液に付けました。
何回か上げ下げしながら入れると、その度にオレンジ色が少しずつ付きました。薄いオレンジ色の染液だけど、色はちゃんとついていました(*´꒳`*)
※染色と媒染は2度繰り返しました。
アルミ、銅、鉄媒染液で色止めをする
染色できたの糸や布は薄いオレンジ色でした。アルミ、銅、鉄媒染液で色止めをしました。
- アルミ 白っぽく変化
- 銅 ベージュのようなくすんだ色に変化
- 鉄 みるみる灰色っぽく変化
触媒後の液体
- びわの実の染液(上)
- アルミ媒染(左下)
- 銅媒染(中央下)
- 鉄媒染(右下)
染色後の刺し子糸
3色の刺し子糸と布ができました。出来上がってみるとなんとなくびわらしい色合いだな〜と思いました。
アルミ媒染の柔らかなオレンジ色と銅媒染のベージュ色。そして私の予想に反してとても美しいと思ったのは、鉄媒染の刺し子糸の青っぽい灰色です。
もう少し色を濃くしたかったので、びわの実を染液にもどして更に煮出し2度染めをしました。
完成したびわの実染めの刺し子糸と布
- アルミ 鳥の子色(赤味がかったごく薄い黄色)
- 銅 浅黄色(ごく薄い黄色)
- 鉄 錫色(錫のような色、銀色に近い色)
YouTube・房州びわの実で染めた刺し子糸と布
房州びわの実で染めた刺し子糸と布を動画で紹介しています。刺し子糸や布の染色の様子や媒染液での色止めの際の変化などをご覧ください。
まとめ
千葉県の南房総で採れる「房州びわ」で、びわの実で染めた刺し子糸と布を作りました。
びわの実染めの糸と布は薄いオレンジ色でした。アルミ、銅、鉄媒染液で色止めをし、薄いオレンジ色、ベージュ、グレーの糸と布ができました。
高級なびわの実を使って染めることはなかなかできることではないので、ちょっとわくわくしながらの体験でした。
今度はびわの葉っぱでも染色したいと思います。
それでは、おつモカリ〜(*´꒳`*)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
モカリーナより♡