紅葉した桜の葉っぱで塩とみょうばんを使って桜染めのやり方【草木染め】

この記事は紅葉した桜の葉っぱを使った桜染めのやり方について書いています。

こんにちは、モカリーナです♬

秋が深まり街中では桜の紅葉が美しい季節になりましたね。

桜染めと聞くと薄ピンク色に染まる桜色が頭に浮かぶのではないでしょうか?

でも桜の枝や葉をそのまま煮出しても桜色にはならず茶系に染まります。桜には桜色に染まる赤い色素の他にオレンジやベージュなどの色素が含まれているからです。

せっかく桜で染めるのだから桜色に染めたいですよね。そこで少し工夫がいります。

この記事では桜の葉の採集風景や桜染めのやり方、染色実験、コツについて紹介しています。

スーパーで手に入る身近な材料で染めていますので、ぜひ参考にしてください(*´˘`*)

紅葉した桜の葉っぱで塩とみょうばんを使って桜染めのやり方【草木染め】

今回私は紅葉した桜の生葉を使って刺し子糸と布を染めました。

別名 カンヒザクラ

分類 バラ科サクラ属

条件 植栽・水抽出/アルカリ抽出/クエン酸

部位 生/葉

採集・染色日 2022年11月19日/2022年11月20日

採集・染色地 千葉県

濃度 葉200g/布36g/糸166g(2番液58g.3番液19g.4番液21g.5番液.30g.6番液38g)

※白糸・濃洗処理済み

使用した糸は小鳥屋さんの刺し子糸の白糸、20番手4本撚りです。刺し子糸は染色前に濃洗剤のディスポンでよく染まるように濃洗処理をしています。

モカリーナ
モカリーナ

ディスポンがない方はスーパーで売っている豆乳で代用することもできます。

桜の葉の採集

公園で紅葉した桜の葉を採集しました。水分の多い落ちたばかりの真っ赤な葉を選んで持ち帰りました。

葉っぱの重量は200gです。

染めたい物に対して染色植物は生のもので同量、乾燥したものは半量です。

モカリーナ
モカリーナ

桜の生葉は同量とみていいのかな?

その心配とは裏腹に桜の葉は驚くほどタフな染色材料です。私は6番液まで取りましたが、まだまだ染液は使えそうなほどでした。

桜の葉の染色実験

糸を大量に染める前に30cmの糸端で染色実験をしました。実験に使った液は1番液水抽出2番液アルカリ抽出の染液です。

2つの染液で染めた糸を更にみょうばんで色止めをしました。

そのままみょうばん止め塩止め
1番液(水抽出)原液ベージュ少し濃くなるベージュ
1番液(水抽出)+クエン酸淡いベージュ少しくすむ淡いベージュ
2番液(アルカリ抽出)原液赤茶色黄味がかった赤茶色赤茶色
2番液(アルカリ抽出)+クエン酸淡い薄ピンク黄味がかった淡い薄ピンク淡い薄ピンク
  • 1番液水抽出では茶系に染まる→染色には使用せず ※水4ℓに不織布に入れた桜の葉を入れて沸騰してから15分間煮出す
  • 2番液アルカリ抽出→赤い染料になったので、染料として使用する ※鍋に水4ℓと重曹8gと、1番液を取った桜の葉を鍋に入れて15分間煮出す(3番液からは同様にする)

2番液で染めた刺し子糸

左(2番液そのまま)・右(2番液にクエン酸加える)

刺し子糸は実験よりも濃く染まり2番液そのままの糸は赤茶色、クエン酸を加えた物は黄味を帯びた茶系に染まりました。

左(みょうばん)/右(塩)・上段(水抽出)/下段(アルカリ抽出)

これをみょうばんで色止めをしました

日本伝統色の色
  • 水抽出・みょうばん止め 黄櫨染(こうろぜん)いくらか紫味のある赤茶色
  • 水抽出・塩止め     赤色/赤白橡色(あかしらつるばみいろ) 黄味の赤色
  • アルカリ抽出・みょうばん止め 薄柿(うすがき)・薄褐色(うすかきいろ)
  • アルカリ抽出・塩止め  紅鳶・赤鳶 赤黄味の鳶色(とびいろ…赤味の濃い茶色)

この中でアルカリ抽出の塩止めが1番鮮やかだったので、3番液からはこの方法で染料を取ることにしました。

媒染後の液体 右(アルカリ抽出の原液)左(アルカリ抽出+クエン酸)

3番液から6番液の刺し子糸

3番液、4番液、5番液と桜の染液は徐々に薄くなり、6番液は少し濃くなりました。

染液は赤味を増し、刺し子糸は桜色に染まっています。

刺し子糸は色の濃淡は多少あるものの、乾燥するとほぼ同じようなピンク色になりました。

まだ染まりそうだったので、晒木綿を染めてみるととてもキレイな濃いピンク色に染まりました。

日本伝統色の色
  • 3~6番液の刺し子糸 乙女色(おとめいろ)黄味を含んだ淡い赤色
  • 晒木綿 退紅色 薄紅より少し淡い色

桜色に染める桜染めのやり方とコツ

桜には桜色になる赤い色素の他にオレンジベージュの色素が含まれています。

この赤い染液を取るためにアルカリ抽出をし、桜色に染めるには3番液から4番液くらいから染めます。

私はアルカリ抽出には重曹を使用して、色止めにはを使用しました。

刺し子糸の変色や退色について

前回は紅葉した桜の乾燥葉を使ってアルミ媒染液銅媒染液錫媒染で色止めをし、3色の刺し子糸を作りました。

このうちアルミ媒染液錫媒染液はピンクベージュのような色に染まりました。しかしながら淡い色やコットンなどは特に色が変わることが多く、この刺し子糸も少しピンク色を帯びた茶系に変化しました。

草木染めの注意事項として自然のものなので化学染料とは違い堅牢度が低く変色退色することがあります。色の変化を含めて楽しみたい方に草木染めの刺し子糸は向いています。

YouTube・紅葉した葉で染めるさくら染めのやり方とコツ

桜染めの刺し子糸の作り方を動画でご紹介しています。合わせてぜひご覧ください。

まとめ

紅葉した真っ赤な桜の生葉を使って、桜染めの刺し子糸のやり方やコツを紹介しました。

桜色に染まったのはアルカリ抽出3番液からでした。このやり方は色々な方法の一例で、桜の採集場所や染色環境などによっても異なります。また同じ採集場所でもその年によって染まる色は違います。

参考にしていただき、ご自身の方法で気軽にお試しください。

それでは、おつモカリ〜(*´꒳`*)♪

最後までご覧いただきありがとうございました。

モカリーナより

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