この記事はドクダミ染めの刺し子糸の作り方の紹介です。
こんにちは、モカリーナです♬
ドクダミは日本全国に生える雑草なのでご覧になったことがあると思います。
お名前に「ドク」とついていますが毒はなく、生のドクダミが持つ特有の臭いがまるで毒を溜めているようで「毒溜み」に由来し名付けられたといわれています。
私はこのドクダミを使って刺し子糸を染めました。煮出した染液は黄色や緑色、ピンク色になり色水実験のようで面白いです。
私の作った刺し子糸は黄色に染まりましたが、染色方法や採集場所、時期によって違う色に染まるそうです。
この記事ではドクダミ染めの刺し子糸の作り方について紹介しています。動画も合わせてご覧ください。
目次
身近な材料を使ってドクダミの花と葉で染めた刺し子糸/みょうばん【草木染め】
ドクダミはドクダミ科ドクダミ属の多年草の一種です。
湿った陰地を好み特有の臭気があるドクダミは繁殖力がとても強い植物です。ちぎれた地下茎からでも繁殖するため放置すると一面ドクダミだらけになり、他の雑草が生えなくなります。
名前に「ドク」とありますがドクダミは無毒で日本の三大民間薬の1つとされ、生薬としては十薬と呼ばれています。
ドクダミはどくだみ茶や食用、園芸用などに利用されることもあり、欧米でも東洋のハーブとして人気があります。
ドクダミの葉は加熱することで臭気が和らぐため、日本では天ぷらをはじめ、おひたし、ごま和え、汁の実、酢の物、油炒めとして食用されます。
①別名 ドクダミソウ、ドクダメ、ギョセイソウ、ジゴクソバ、ウマゼリなど
②分類 ドクダミ科ドクダミ属ドクダミ種
③条件 自生・水抽出/アルカリ抽出
④部位 生/花・葉
⑤染色日 2023年5月17日
⑥染色地 千葉県
⑦濃度 葉360g・花50g/糸43g×3
※未晒糸・濃洗処理済み
※刺し子糸は精練後ディスポンで濃洗処理をしています。
ドクダミを採集する
初夏に庭や空き地で群生しているドクダミ。白い花の咲く5月半ばに雑草抜きをするタイミングで、ドクダミをたくさんいただきました。
ドクダミの葉はハート形で、4枚の白い花びらのように見えるのは実は萼です。花は黄色い長細い部分で、よく見ると萼片や花弁のない小さな花が密集しています。
私は染色する前に「ドクダミの染色実験」をして、葉っぱと花の部分を使って染色することにしました。
ドクダミの染色実験についてはこちらの記事で詳しく書いています。
ドクダミの葉の染液を作る
ドクダミの葉は調べてみると染まりにくいとのことで多めに使用しています。
- 水 1ℓ
- ドクダミの葉 360g
- 重曹 1g
- 刺し子糸 43g
※染料は不織布に入れました。
水にドクダミの葉を入れて煮出し、沸騰してから20分煮出して葉を絞り染液を取りました。葉からドロドロした液体がでて染液は深緑色です。
ドクダミの葉は水抽出したものと、それに重曹を加えたもの(アルカリ抽出)の2種類作りました。
ドクダミの花の染液を作る
- 水 500cc
- ドクダミの花 300個(約47g)
- 重曹 1g
- 刺し子糸 43g
※染料は不織布に入れました。
水にドクダミの花を入れて煮出し、沸騰してから20分煮出して染液を取りました。花の染液はほんのり黄色い無色に近い液体です。
③この染液に重曹を入れるとパッと鮮やかな黄色になりました。(アルカリ抽出)
ドクダミの染液について
①葉の水抽出(そのまま)
不透明の緑色だった染液はしばらく放置しておくと、緑色のドロドロしたものは沈澱し、上澄み液は薄いピンク色になりました。
②葉のアルカリ抽出(重曹)
不透明の深緑色だった液体はしばらく放置しておくと、緑色のドロドロしたものは沈澱し、上澄み液は薄い深緑色になりました。
③花のアルカリ抽出(重曹)
透明の黄色い液体です。
刺し子糸を染色する
刺し子糸は1時間以上染色しました。
染色し終わった刺し子糸の色
①葉の水抽出(2度染め)→緑がかった茶色
②葉のアルカリ抽出→青味がかった濃い黄色
③花のアルカリ抽出→黄色
①葉の水抽出(1度染め)→1回目に染めた時は薄い若葉色でした。
みょうばんで色止めをする
染色した刺し子糸を焼きみょうばんで色止めをしました。みょうばん水はいつもよりは薄めです。(染める材料の0.3%)
① 葉の水抽出→くすんだ青みがかった黄色
② 葉のアルカリ抽出→青みがかった黄色
③花のアルカリ抽出→黄色が少し濃くなる
②と③は想像通りでしたが、①の薄い若葉色は黄色くなってしまいました💦
みょうばんで色止めをすると黄色になちゃった~💦
そこで再チャレンジすることにしました。
塩で色止めする
④葉を水抽出し塩色止めをする
刺し子糸を塩で色止めすると液体が黄色くなり、ほんのり若葉色だった刺し子糸(14g)はベージュに変化しました。
緑系にならなかったのは塩止めのせいか、時間と共に変色するものなのか分かりません。
もしかして無媒染なら薄い若葉色が保てたのかも…
それとも染色実験をしたので、採集時間から半日たっていたのが影響したのでしょうか。ドクダミの染色は採集してから早めがいいそうです。
この時点で真夜中だったのでここで終了しました。
完成した刺し子糸
みょうばんで色止めした刺し子糸は黄色系、塩止めしたものは茶系でした。
- ①葉 刈安(かりやす)いくらか青みの黄色
- ②葉 浅波自(あさきはじ)やや茶味の黄色
- ③花 浅黄(あさき)薄い黄色
- ④葉 練色(ねりいろ)いくらか茶味の白色(現代の生成色)
みょうばんで色止めした黄色系の刺し子糸はほんの少し色ムラがあります。ドクダミの葉は煮出すと粘り気がでるため、色ムラができたのではないかと推測しました。
※染色は染めた場所、植物の採集した場所や時期によっても染めた色が変わります。またアルミ媒染・銅媒染・鉄媒染液によっても色が違います。
YouTube・どくだみ染めの刺し子糸
この動画ではドクダミのことやドクダミ染めの刺し子糸の作り方、染色や触媒の色の変化を紹介しています。合わせてぜひご覧ください。
まとめ
今回はドクダミ染めの刺し子糸の作り方と完成した4色の刺し子糸の紹介しました。
ドクダミは繁殖力が強くてたくさん自生する植物です。雑草抜きをして処分する前に布や糸を染色したり、乾燥させてお茶など作ってみてはいかがでしょうか。
私は染める前、花の部分から赤系に染まるのではないかと期待していましたが、赤い染液が取れるのは花の終わり頃らしいです。
今回は染めた刺し子糸は黄色系や茶系でしたが、染色方法や時期によって緑やピンク色に染まるようです。
それでは、おつモカリ~(*´꒳`*)♪
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
モカリーナより♡