この記事はタケノコ染め、筍の皮で染めた水色の刺し子糸の紹介です。
こんにちは、モカリーナです♬
春先になると竹林やスーパーの野菜コーナーではたくさん筍が並んでいます。今回購入したのは大きくて黒い筍です。
この筍の皮を煮出して作った染液に刺し子糸を染めると、何色の刺し子糸ができると思いますか?
答えは水色です。
筍の皮から水色に染まるなんてとても不思議ですよね〜(*´꒳`*)
染液につけると刺し子糸が徐々に水色に変わってきます。そして色止めのアルミ、銅、鉄媒染液に浸けるとそれぞれ違った3色の水色の刺し子糸ができました!
私は1度目、2度目と筍を購入して刺し子糸を染めたのですが、少し水色に染まったと思いきや乾くと白くなりました。
この違いは一体何でしょうか??
それは筍の色です。
この記事では水色に染まるタケノコ選び、染色や触媒について書いていますので参考にしてください。
目次
筍の皮から3色の水色の刺し子糸ができた!タケノコ染め【草木染め】
筍はイネ科の植物で、地下茎から出てくる若芽の部分です。
春先に地面から芽が出かけているものをタケノコとして食用にし、旬は4 〜5月とされています。
筍は掘り上げてからの鮮度落ちが極端に早いので、収穫したその日のうちに調理するか灰汁抜きして下ごしらえするのが理想的です。
時間が経つとかたくなると同時に灰汁が増えてえぐみが増します。染色においても筍は入手したその日のうちに染料を取る方が好ましいです。
①別名 タケノコ・竹の子
②分類 イネ科タ亜科タケ類
③条件 植栽
④部位 生/皮
⑤採集・染色日 2022年5月1日/2022年5月1日
⑥採集・染色地 千葉県
⑦濃度 100g/糸21g
※白糸・濃染処理済
タケノコ染めに適している筍選び
筍の皮から取った染液でタケノコ染めをしました。
タケノコの皮から水色に刺し子糸が染まるなんてとても不思議ですよね。私は今シーズン4回タケノコ染めをしたのですが、1〜2度目刺し子糸は水色には染まらず白い色でした。
水色に刺し子糸を染めるには筍選びが重要です。では、どんな筍を選んだらいいのでしょうか?
答えは、黒っぽい筍です。
1度目、2度目は色の薄茶色の筍しか手に入りませんでした。刺し子糸を染めた時はほんのりと水色になったものの、乾燥してしばらくすると白い糸になりました。
3度目、4度目は黒っぽい筍を選び、水色の刺し子糸ができました。
※3度目のタケノコ染めはアルミ、銅、鉄媒染液で3色に染めました。この記事は3度目のタケノコ染めについて書いています。
筍の皮から染料をとる
生の材料は染める物の2倍の量が必要です。でも筍は1〜2度目の染色で染まりが悪かったので、少し材料を多めに用意して染料を作りました。
筍の皮はハサミで切って細かくし不織布に入れました。大鍋に水4ℓを入れ、沸騰してから約15分煮ると焦げ茶の染料が取れました。
刺し子糸を筍の染液で染める
筍の染液に刺し子糸を入れると、徐々に水色に染まってきます。約1時間染液に浸しました。
媒染液で色止めをする
染色した刺し子糸をアルミ、銅、鉄媒染液で色止めをしました。
- アルミ 薄い水色に変化
- 銅 黄味がかった水色に変化
- 鉄 グレーがかった水色に変化
アルミ媒染液の液体は染色した刺し子糸を入れると赤紫色になり、その中で薄い水色の刺し子糸が浸かっているのが不思議な感じです。
銅媒染に浸けると鮮やかな青緑色に、鉄媒染液はグレーがかった水色に変化しました。
触媒後の染液
- 筍の皮の染液(上)
- アルミ媒染液(左下)
- 銅媒染液(真ん中の下)
- 鉄媒染液(右下)
タケノコ染めの3色の刺し子糸
タケノコ染めの3色の刺し子糸ができました。
- アルミ 青練色(あおねりいろ) 薄い藍味の白色
- 銅 白藍色(しろあいいろ) わずかに緑味のある薄藍色
- 鉄 秘色色(ひそくいろ))青磁の肌の色のようなごく薄い緑味の青色
4回目のタケノコ染め
⑦濃度 葉23g/糸43g
※未晒糸・精練・濃洗処理済み
タケノコ染めの水色がとても美しかったので、再度筍を購入しました。
黒っぽい色の筍から染液をとって染色した刺し子糸を、アルミ、銅媒染液で色止めをしました。
できあがった刺し子糸は3回目の刺し子糸よりも、少し緑がかった色に染まりました。
刺し子糸は精練後、ディスポンで濃洗処理をしています。
- アルミ 青練色
- 銅 白藍色
YouTube・3色の水色の刺し子糸・筍の皮染め【草木染め】
タケノコから生まれた3色の水色の刺し子糸・筍の皮染めの紹介をしています。刺し子糸の染色や触媒の刺し子糸の色の変化をお楽しみください☺
まとめ
筍の皮の染液から3色の水色の刺し子糸を作りました。
水色に染めるには黒い皮の筍を選びます。すごく濃く染液が出たと思っても乾くと薄い色になります。
そのため少し染料を多めにして染液を作り、アルミ・銅・鉄媒染液で色止めをするととてもキレイな水色に染まりました。
アルミ媒染液につけると液が赤紫色に変わり、その中で薄い水色の刺し子糸が浸かっているのがとてもキレイで不思議な感じでした。
この赤紫色はタケノコの成分のアントシアニンで、今度は赤い成分を取り出して実験したいと思います。
それでは、おつモカリ〜(*´꒳`*)♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
モカリーナより